個人事業主と生計を一にする親族〜所得税の同一生計親族間取引について

個人で事業をしている場合、親族への給与の支払や必要経費の支払などよくあることです。所得税では同一生計親族間の取引について一定の制限が設けられています。

同一生計親族とは

同一生計親族とは、「同一生計 ⇒ 財布を一緒に生活している」「親族 ⇒ 身内」のことです。「同一生計」についての詳細は以下のリンクをご確認ください。

同一生計親族へ家賃を支払った場合

あなたが事業をおこなうために、同一生計親族から事務所や店舗を借りて家賃を払ったとします。残念ながらこの支払は必要経費とはなりません。また、貸している親族の収入金額にもなりません。

ただし貸主である親族が、所有する事務所や店舗に係る管理費や固定資産税・減価償却費・借入金の利子などを支払った場合には、あなたの事業の必要経費として認められます。

外部が全くかかわらない、同一生計親族間で完結する取引はあなたの事業の収入金額・必要経費とならないのです。

同一生計親族へ給与を支払った場合

白色申告の場合、家族がどれだけ頑張って働いても支払った給与は必要経費になりません。その代わり、支出の有無は関係なく一定の要件を満たせば以下の控除が受けられます。

事業専従者控除

1.事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円

2.この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額

白色事業専従者控除を受けるための要件は、以下のとおり。

  • 白色申告者の営む事業に事業専従者がいること。(事業専従者とは、次の要件の全てに該当する人をいいます。)

  〇白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること

  〇その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること

  〇その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること

  • 確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること。

通常、親族が扶養に入っていれば事業に従事しなくても所得控除で38万円、特定扶養親族であれば63万円の所得控除ができるわけですから、白色申告で事業に従事している親族の控除額はいかにも少ないです。
扶養控除の場合、事業専従者控除との差額が12万円しかありません。

事業専従者控除を受けた場合は扶養控除等の所得控除は受けられないため、ご留意ください。

青色申告の場合は青色事業専従者給与があります。届出金額の範囲で支払った給与が必要経費として認められますので青色申告制度を利用することをお勧めします。

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