災害または盗難もしくは横領によって雑損控除の対象になる資産の要件にあてはまる資産について損害を受けた場合等には、担税力の減殺を考慮して一定の金額の所得控除を受けることができます。
適用要件
以下の①及び②の要件に該当する必要があります。
① 対象者や対象物が次のいずれにも該当すること
適用要件 | 適用要件の内容 |
---|---|
資産の所有者が次のいずれかであること |
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対象資産 |
生活に通常必要な資産※(居住用家屋・家財・衣服・現金・生活に通常必要と認められる車輌のほか時価30万円以下の宝石、骨董品等) |
対象資産から除外されるもの
- 棚卸資産もしくは事業用固定資産や繰延資産・山林などの事業用資産
- 担税力の減殺を考慮する趣旨から外れる生活に通常必要でない資産
例)別荘など趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で保有する不動産(平成26年4月1日以後は同じ目的で保有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権など)も含まれます。)・生活に通常必要でない車輌のほか、貴金属(製品)や書画、骨董など1個または1組の価額が30万円超のもの。
対象資産の詳細
※雑損控除の対象資産は、居住用家屋と所得税法第9条第1項第9号に規定する非課税資産のうち、所得税法施行令第25条の動産を除きます。
(所得税法)
第9条 非課税所得
次に掲げる所得については、所得税を課さない。
九 自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得
(所得税法施行令)
第25条 譲渡所得について非課税とされる生活用動産の範囲
法第9条第1項第9号(非課税所得)に規定する政令で定める資産は、生活に通常必要な動産のうち、次に掲げるもの(1個又は1組の価額が30万円を超えるものに限る。)以外のものとする。
一 貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品
二 書画、こつとう及び美術工芸品
② 損害の原因が次のいずれかの場合に限定されます。
- 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
- 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
- 害虫などの生物による異常な災害
- 盗難
- 横領
※原因が詐欺や恐喝の場合は適用されません。
損失の金額計算
■原則計算
損害金額※ + 災害等関連支出 - 保険金等の額
※損害金額 = 損失発生直前の時価 - 損失発生直後の時価
この計算式を初めて見たとき、時価と記載してあるので、計算できない・・・!と思いました。しかし、現在は合理的な計算方法も認められています。計算方法等の詳細は次回のご説明となります。