日本は地震や台風等災害が多く、中小企業の事業活動に大きなダメージを与える大規模災害等が相次いで発生しています。災害等による従業員やその家族、経済社会に与える影響を軽減する観点から事業継続計画(BCP)を策定する中小企業に支援策が用意されています。
事業継続力強化計画認定制度の概要
「事業継続力強化計画」(以下、「計画」)とは、中小企業が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むために、必要な項目を盛り込んだもので、将来的に行う災害対策などを記載するものです。
経済産業大臣(地方経済産業局)の認定を受けた中小企業は、防災・減災設備に対する税制優遇、低利融資、補助金の加点措置等を受けることができます。
認定を受けられる中小企業者の規模
業種により、資本金と常時使用従業員数で定められており、例えば小売業では資本金5千万円以下、常時使用従業員数50人以下となっています。したがって、ほとんどの小規模事業者が該当すると思われます。(中小企業等経営強化法第2条第1項に定義)
認定後の支援策を検討
- 金融支援(低利融資、信用保証枠の拡大等)
金融支援を受ける場合には、関係機関(日本政策金融公庫、信用保証協会等)の審査が必要になります。 - 税制措置(防災、減災設備の取得・供用)
青色申告書を提出する中小企業者等で、令和元年7月16日から令和5年3月31日までに計画の認定を受け、その認定を受けた日から同日以後1年を経過する日までの間に、計画に記載された対象設備を取得、事業の用に供した場合に、特別償却20%(令和5年4月1日以後に取得等をする対象設備は特別償却18%)が適用できます。
対象設備は、自然災害(「器具及び備品」については、自然災害又は感染症)の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する減価償却資産として限定列挙され、取得価格要件があります。 - 補助金(ものづくり補助金等)の加点措置
- 中小企業庁HPで認定を受けた企業の公表
- 認定企業に活用できるロゴマーク提供
計画の策定・申請・認定
中小企業庁のHP(事業継続力強化計画)に詳細があります。基本方針、作成指針、策定の手引を参照してください。
計画の策定
自社のみの「単独型」と複数事業間で策定する「連携型」があり、計画を策定するうえで使用する様式は上記リンクを参照してください。
ハードルの高いものではないため、支援策の活用を検討のうえ計画を策定・記載します。
計画の申請
- 「単独型」・・・事業継続力強化計画電子システムより申請、新規申請・変更申請ともに操作マニュアルがあります。
- 「連携型」・・・代表する中小企業者等の所在地を管轄する経済産業局に申請書を提出
計画の認定
認定を受けた場合、認定通知書が交付されます(申請から認定まで約 45 日かかります。)