経営セーフティ共済制度は、取引先事業者が倒産(法的整理・取引停止処分・私的整理・災害による不渡り・特定非常災害による支払不能)した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
無担保・無保証人で、掛金の10倍まで借入れ可能
共済金の借入れは、無担保・無保証人で受けられます。共済金貸付額の上限は「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額となります。
※倒産日から6か月を経過した場合には共済金の借入手続きを行うことはできませんので注意が必要です。
全ての借入れにおいて、6か月の据置期間が設けられています。返済期間は借入額に応じて変わります。(この場合、掛金は返還されません)
借入額 | 返済期間(6か月の据置期間含む) |
---|---|
5,000万円未満 | 5年 |
5,000万円以上6,500万円未満 | 6年 |
6,500万円以上8,000万円以下 | 7年 |
取引先が倒産後、すぐに借入れできる
取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になったときは、その事業者との取引の確認が済み次第、すぐに借り入れることができます。
掛金の税制優遇で高い節税効果
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、増額・減額できます。また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合=事業所得に限る)に算入できるので、節税効果があります。簡単にいうと掛金を損金等にできる「積立定期」のようなものです。
ただし、1年以上事業を行っている中小企業者が対象となるため、創業初年度の法人の場合は加入ができません。ご注意ください(個人事業者が法人成りしたときは加入できます)。
また、経営セーフティ共済には「前納」という制度があり、月額掛金を1年以内の任意の月数分前払いすることが可能です。これを利用して年払いをすれば、その全額を支出した事業年度の損金等にすることができます。ただし、年払いをした翌年も前納したい場合には、改めて手続きが必要です。もし何も手続きをしなかった場合、翌年は自動的に月払いになり、毎月指定の口座から引き落とされることになりますので、注意が必要です。
翌年も同様に前納を希望する場合は、『前納申出書』を払込みしたい月の5日(土曜・日曜・祝日の場合は翌営業日)までに中小機構が受理できるよう、取引銀行に提出する必要があります。
受理日がギリギリにならないよう、遅くとも前納をしたい月の前月(前納の期間が終了する月)までには、銀行に申出書を提出するようにしてください。
なお、前納をした場合には、【掛金月額×5/1,000×前納月数】で前納減額金(前納による割引金)が支払われます。(お得ですね)
解約手当金が受けとれる
共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります(12か月未満は掛け捨てとなります)。
解約手当金の95%を上限として一時借入も可能
□借入額=30万円以上(5万円単位)
□返済期間=1年(期限一括返済)
□利率=一時貸付金の利率は金融情勢に応じて変動します。利息は一時貸付金の借入れの際に、一括で前払いとなります。(H23.4.1以降=年0.9%)
□担保・保証人=不要