事務所新設等でスペースを区切るために使用するために間仕切り(パーテーション等)を設置することがあります。今回は間仕切りの種類や設置状況に応じた税法上の取り扱いを確認します。

減価償却資産の耐用年数等に関する省令

資産の種類・構造又は用途や細目別に耐用年数を記載しているのが「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」となります。 その省令の「別表第1 機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表」に以下の記載があります。

種類 構造又は用途 細目 耐用年数
建物附属設備 可動間仕切り 簡易なもの 3
その他のもの 15

上記の表見出し「構造又は用途」を参照し、可動間仕切りに該当すれば建物附属設備に該当するようです。税務上の判定で「用語の意義」は重要ですから、ここでいう「可動間仕切り」とはどういうものか確認する必要があります。そこで、別表第1に関連する通達がありますので確認していきます。

耐用年数の適用等に関する取扱通達

耐用年数の適用等に関する取扱通達の第2章、第2節に可動間仕切りの記載があります。

耐通2-2-6の2 可動間仕切り

別表第1の「建物附属設備」に掲げる「可動間仕切り」とは、一の事務室等を適宜仕切って使用するために間仕切りとして建物の内部空間に取り付ける資材のうち、取り外して他の場所で再使用することが可能なパネル式若しくはスタッド式又はこれらに類するものをいい、その「簡易なもの」とは、可動間仕切りのうち、その材質及び構造が簡易で、容易に撤去することができるものをいう。

(注)会議室等に設置されているアコーディオンドア、スライディングドア等で他の場所に移設して再使用する構造になっていないものは、「可動間仕切り」に該当しない。

種類と耐用年数の判定

まず、可動間仕切りに該当しないものを確認します。注意書きにあるように、アコーディオンドアやスライディングドアは基本的に上部にレールが施工されており、他の場所に移設して再使用する構造になっていないため可動間仕切りに該当しません。 建物と一体の窓やドア等と同様の取扱いになります。したがって、種類は「建物」となり、その建物の構造又は用途に属する耐用年数を使用します。

耐通1-2-3 建物の内部造作物

建物の内部に施設された造作については、その造作が建物附属設備に該当する場合を除き、その造作の構造が当該建物の骨格の構造と異なっている場合においても、それを区分しないで当該建物に含めて当該建物の耐用年数を適用する。~以下省略

可動間仕切りに該当したもののうち、別表1「細目」の「簡易なもの」とは、”その材質及び構造が簡易で、容易に撤去することができるもの”とあるとおり、上部に空間があり固定されておらず、床に置いている衝立のような簡易可動間仕切りとなります。耐用年数は3年です。

別表1「細目」の「その他のもの」とは、パネル等で上部まで空間を仕切っているけれども、取り外して他の場所で再使用することが可能なものとなります。耐用年数は15年です。

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