消費税のインボイス制度では、仕入税額控除に際して適格請求書の保存が求められます。クレジットカードで決済されるETC利用について利用証明書の保存が必要になるため具体的な対応を解説します。

ETC料金の請求形態

高速道路のETC料金はETCカードの種類によってインボイス制度への対応が異なってきます。

発行元 カード種類
クレジットカード会社 ETCクレジットカード
ETCパーソナルカード事務局 ETCパーソナルカード
東日本高速道路㈱・中日本高速道路㈱・西日本高速道路㈱ ETCコーポレートカード

ETCパーソナルカード・ETCコーポレートカードは発行元から請求書が発行されるため、そのままインボイスに対応できます。

ETCクレジットカードはクレジットカード会社が発行する「クレジットカード利用明細」となり、これはインボイスに対応していないため「利用証明書」を取得する(利用した高速道路会社ごとに1回分)必要があります。

カード種類 インボイスの対応
ETCクレジットカード 「クレジットカード利用明細」及び利用した高速道路会社の「利用証明書」(各社ごとに1回分)を保存
ETCパーソナルカード 各発行元が発行する請求書の保存
ETCコーポレートカード

利用証明書の取得方法

クレジットカード会社が発行するETCクレジットカードでは、ウェブサイトより「ETC利用照会サービス」にアクセスし「利用証明書」をダウンロードして取得します。

「利用証明書」のダウンロードには登録が必要です。登録にあたって以下のものが必要となります。

  1. ETCカード(カードNo)
  2. メールアドレス
  3. ETCカードを利用した際の以下のもの
  • 車載器管理番号(車載器の19桁識別番号)
  • 車輌番号(ナンバープレートの4桁の番号)
  • ETCの利用年月日

(注)登録には、ETCクレジットカード、ETCパーソナルカードの場合は過去15ヶ月以内に少なくとも1回、ETCコーポレートカードの場合は過去62日間に少なくとも1回、登録されるETCカードを使用して、ETC無線通行により高速道路を利用していることが必要です。

登録後、トップページのログインからIDとパスワードを入力し「利用証明書」をダウンロードできます。

ダウンロード後の利用証明書の取扱い

消費税の仕入税額控除を適用する上では、印刷した書面又は電子帳簿保存法の電子取引データの保存のいずれも認められます。

しかし、電子帳簿保存法上は、電子取引データ保存について令和6年1月1日以降に保存義務があるため、「利用証明書」を電子データのまま保存することが求められます。なお、「クレジットカード利用明細」も紙媒体でなく電子取引データのみの場合は保存が必要です。

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